交渉の4つの原則「利益」

交渉の4つの原則 「利益」
本記事は、毎週水曜日にお届けしているメルマガ『ウィンベル式 無敵の交渉学』のVol.04を再構成したものです。

交渉における4つの原則とは

前回の「交渉における4つの原則とは」に引き続き、交渉において立脚すべき4つの原則について解説します。

交渉で立脚すべき4つの原則(人・利益・選択肢・基準)

今回は、2つ目の原則である「利益」を取り上げます。

姉妹のオレンジをめぐる争い

この原則を理解するために、次の事例を考えてみてください。

姉

このオレンジは私のものよ。

えっ!?私だってこのオレンジが欲しい!

妹
母

もう、喧嘩しないでよ。半分にすればいいじゃない?

やだ!絶対1個分が欲しいんだもの。

姉
妹

私だって1個分必要だから半分はやだ!

姉妹が1つのオレンジをめぐって争っています。

どちらも譲らず、最終的には母親が間に入り、半分に分けるよう提案しますが、姉妹はそれにも納得しません。

一見よくある光景ですが、皆さんならどのように解決しますか?

半分に分ける、もう1つ買ってくる、今回はどちらかに譲って次回で調整するなど、さまざまな解決策が思い浮かぶと思います。

「利益」に着目すると解決は変わる

しかし、私たちが目指す交渉は、当事者双方の利益を可能な限り満たす合意です。

先ほどの解決策では、どちらかが我慢する必要があったり、第三者の行動に依存したりと、必ずしも双方の利益を十分に満たしているとは言えません

ここで重要になるのが、「利益」に着目するという視点です。

この事例は、ある一言で解決に近づきます。

母

あなた達はなぜ1個分のオレンジが必要なの?

この問いを投げかけることで、それぞれの本当の目的、つまり「利益」が明らかになります

本当のニーズに目を向ける

オレンジが食べたいからよ。

姉
妹

私はオレンジの皮を使ってマーマレードを作りたいからよ。

このように、それぞれが求めているものが異なる場合、1つのオレンジでも双方の利益を満たすことが可能になります。

「何を欲しがっているか」ではなく、「なぜそれを欲しがっているのか」に目を向けることが重要です

相手の利益に着目することの重要性

交渉においては、相手がどのような利益を得たいと考えているのかを探ることが重要です。

その視点を持つことで、双方にとって納得できる合意に近づきます。

ぜひ日常のコミュニケーションでも、相手の利益に着目してみてください。

本日は以上です。次回もぜひご覧ください。

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山口真彦
弁護士

福岡県出身。/p>

弁護士登録前は、中小企業で営業職を経験したのち、大手資格試験予備校にて行政書士・司法試験講座の講師を務め、全国1位の売上を記録。/p>

現在は、弁護士兼社労士として企業の労務問題をメイン業務とし、専門である交渉学の知見を活かし、労働問題を「裁判をせずに、紛争を早期かつ円満に解決すること」を信条としている。/p>

2024年には九州大学ビジネススクールを修了し、MBA(経営学修士)を取得。「法律×交渉学×経営」の視点から、企業で起きる労務問題に対して、実践的な解決策と科学的根拠に基づく防止策を提案している。

2025年、マサチューセッツ州立大学MBA講師に就任。

PROFILE