交渉における4つの原則とは

交渉における4つの原則とは
本記事は、毎週水曜日にお届けしているメルマガ『ウィンベル式 無敵の交渉学』のVol.03を再構成したものです。

交渉における4つの原則とは

前回の「交渉のイメージを一変させます」では、私がお伝えする交渉術の目的は、優れた合意、すなわち当事者の利益を可能な限り満たした合意を、効果的かつ友好的にもたらすことであるとお話ししました。

本日からは、この目的を達成するために、交渉の場で私たちが立脚すべき原則について解説していきます。

その原則は、次の4つです。

交渉で立脚すべき4つの原則(人・利益・選択肢・基準)

今回は、この中の「①人」についてお話しします。

「人」という原則が意味するもの

「人」という原則は、交渉がうまくいかない大きな原因の一つである、人は感情を持っているという点に注意を向けるものです。

交渉は合理的に進めるべきものですが、実際の現場では感情が大きく影響します

そして、その感情が交渉を難しくしてしまう場面は少なくありません。

感情が交渉を壊してしまう典型例

次のような場面を考えてみてください。

会社と、その会社から業務を委託されているフリーランスとのやり取りです。

会社の担当者が納期の前倒しを依頼したところ、フリーランスは難しいと回答します。

すると担当者は不満を抱き、強い言葉で圧力をかけます。

それに対してフリーランスも反発し、最終的には交渉が決裂してしまいます

このやり取りでは、双方の発言の裏にある感情がエスカレートし、建設的な話し合いができなくなっています。

結果として、お互いにとってメリットのある合意には至っていません。

問題に着目すれば交渉は変わる

この事例を第三者の立場で見ると、冷静に判断できるのではないでしょうか。

本来着目すべきは、「10月末までに納品するためにはどうすればよいか」という問題そのものです。

相手の態度への不満や感情的な反応ではなく、解決すべき課題に焦点を当てるべきです。

感情を切り離し、問題に集中することができれば、より建設的な交渉が可能になります。

「人と問題を切り離す」という考え方

交渉において重要なのは、人と問題を切り離すことです。

相手への感情と、解決すべき問題は本来別のものです。

この2つを混同してしまうと、交渉は一気に難しくなります。

逆に言えば、問題にフォーカスすることで、双方にとってより良い解決策を見出すことができます。

ぜひ実生活で意識してみてください

具体的にどのように対応すべきかについては、ぜひご自身の立場に置き換えて考えてみてください。

それぞれの立場でどのような対応ができたかを想像することが、理解を深めることにつながります。

本日は、交渉をうまく進めるための原則の一つである「人」についてお伝えしました。

日常の中でも、感情が原因でうまくいかなかった経験はないでしょうか。

ぜひ、交渉の場面で意識してみてください。

次回もお楽しみに。

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弁護士山口真彦
山口真彦
弁護士

福岡県出身。/p>

弁護士登録前は、中小企業で営業職を経験したのち、大手資格試験予備校にて行政書士・司法試験講座の講師を務め、全国1位の売上を記録。/p>

現在は、弁護士兼社労士として企業の労務問題をメイン業務とし、専門である交渉学の知見を活かし、労働問題を「裁判をせずに、紛争を早期かつ円満に解決すること」を信条としている。/p>

2024年には九州大学ビジネススクールを修了し、MBA(経営学修士)を取得。「法律×交渉学×経営」の視点から、企業で起きる労務問題に対して、実践的な解決策と科学的根拠に基づく防止策を提案している。

2025年、マサチューセッツ州立大学MBA講師に就任。

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